鼈甲枠.金枠の知識
約40年ほど前の高額商品のご紹介。左の鼈甲フレ−ムは18金白甲サ-モントです。右のフレ-ムはプラチナ台に72個のマ-キスダイアモンドをあしらった、当時1550万円のフレ-ムです、いずれも現在は在庫ございません。
鼈甲のメガネは数種類の海亀の内、タイマイの甲羅を加工して作ります。タイマイの甲羅はニカワ質に似たタンパク繊維で出来ていて、素材の特性により肌ざわりが良く、掛け心地の良いメガネができます。フレームの製造は接着剤を使わず、熱と水分の調整により圧着加工を行い、他に切削、磨き等の加工をして眼鏡に仕上げます。現在タイマイは国際保護動物に指定されており、輸出入は禁止されております。
鼈甲の眼鏡は色の薄い色ほど価格が高くなります、ただし真黒のまったく混ざりもののない眼鏡はかなり高いものになります。鼈甲のフレームは濃い色と薄い色をうまく取り合わせたりして、腕の部分に梅や松の模様を入れたりしたものもあります。鼈甲は眼鏡の他に櫛、帯止め、カフスボタン、置物等として加工されたりします。
◎鼈甲フレームの取り扱いについて。皮膚からの汗、脂、整髪料、化粧品による汚れは良く拭き取ってください、経年変化を早めてしまいます。酸性体質の方は鼈甲素材の変化が早く進む傾向があります。経年変化をしたフレ−ムは磨き等を施して新品に近い状態に戻すことができます、ただしフレ−ムが少しづつ細くなります。
乾燥した場所や高温多湿の場所に長時間置きっぱなしにしない、超音波洗浄器に入れない、長期間使用しない場合は弱い防虫材と共にしまう等の注意が必要です。鼈甲フレ−ム使用中にフレ−ムの触れる場所にかゆみ、かぶれ、湿疹等が発生しましたら医師の診断を受けてください。鼈甲の素材は長く使われてきていますので心配ないと思いますがご配慮下さい。
鼈甲フレ−ムは折れたりした場合、程度によって修理が出来ます、冬季は修理期間が夏季よりも日数がかかります。良い色のフレ−ムほど修理代がかかり、修理や磨き等の新品仕上げを繰り返すと鼈甲の表面を削る為にフレ−ムは少しづつ細くなってきます事はご了解ください。ネジの緩みや変形等はご購入いただいたお店で調整等の対応をしていただいてください。
金枠は主に18Kと14WKが眼鏡に使われ、メタルフレ−ムとしては古くから素材として使われてきました。金枠は少し重いのですが、加工しやすく、素材の変質も少なく、眼鏡用としてすぐれた素材です。近来チタン等の新素材がたくさん使われていますが、金の素材としての地位は変わりません。